ショートステイで働くには、ヒアリングのスキルが必要になる。その理由は、利用者や利用者の家族の中には、施設に対する不満を持っていても、なかなか言い出せない人もいるからだ。食事や入浴、排泄の介助の際には、利用者の体に負担がかかっては適切な介護とは言えない。介護をするときには、さりげなく利用者から不満を聞き出すことも必要だ。利用者の心情を聞き出すことにより、介護の改善点を見つけることが可能になる。
また、介護では利用者の家族の話を聞くことも重要である。介護を日常的に行っている家族には、ショートステイを利用することに罪悪感を持っている人もいるし、介護のストレスを抱えている人もいるのだ。そこで、利用者の家族の声を聞くことも、より良い介護のためには必要なことである。
ショートステイでは、利用者の不安や恐怖心に共感するスキルも必要だ。ショートステイで家族と離れると、途端に利用者が不安感を感じる場合がある。「いつ帰れるのか?」「なぜ迎えにこないのか」と中にはパニックに陥る人もいる。そのような時に「もうすぐですよ」と宥めることは可能だ。だが、これだとあくまでも事務的な作業になってしまう。利用者がなぜ不安な気持ちになっているのか、その原因を理解して共感することによって、その心に寄り添うことができるのである。
ショートステイで仕事をするときには、常に利用者の言葉に耳を傾けて、共感することを意識することが必要だ。